favicon  麦芽について

ビールの原料でもっとも基本的なものが麦芽(モルト)です。この麦芽によって、イーストが発酵するのに必要な糖分をつくりだし、ビールの味や色を決定づけます。麦芽には様々な種類があり、それぞれ特徴や色が異なり、その組み合わせ方は無限大。麦芽の特徴とはたらきを理解して、自分だけの色と味をもったビールをつくりだしましょう。

ではこの麦芽とは何なのか。一言でいうと、大麦を途中まで発芽させた後、焙煎乾燥させたものを言います。大麦の成分は主にでんぷんと少量のタンパク質ですが、そのままの状態ではでんぷんは糖化されません。大麦は、水を含ませ、適切な温度にすることにより、はじめて酵素が働き、発芽に必要な栄養を作り出そうとします。 発芽に必要な栄養とは、アミノ酸と糖ですが、タンパク質分解酵素によりタンパク質からアミノ酸をつくり、でんぷん分解酵素により、でんぷんから糖をつくります。既に酵素が働いていますので、麦芽には10~20%の糖分が含まれています。

発芽に必要な栄養は、イーストが必要とするものと同じなんですね。つまり、発芽に使われる自然の神秘であるパワーやエネルギーを、ビールづくりに活かすのです。 同時にこの過程ででんぷんは水に溶けやすく異性化されます。麦芽をつくる工程では、この発芽をさせることによって酵素を活性化させますが、完全に発芽させずに、後でビールの原料として使えるように乾燥させることで発芽を途中で止め、すぐに酵素を働かせられる状態にしておきます。

また、でんぷんが異性化されていますので、マッシングの際に水に溶け出しやすくなります。大麦は、そのままの状態ではビールの原料としてすぐに使えないので、麦芽にする必要があるのです。

発芽の目的

1.大麦に含まれるでんぷんの異性化(水に溶けやすくなる)

2.糖化に必要な酵素を活性化する(タンパク質分解酵素・でんぷん質分解酵素)

乾燥の目的

1.発芽を止める

2.長期の貯蔵を可能にする

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