ホームブルーイングの基本的な考え方、必要な原料、道具、プロセスについて説明します。基本さえきっちり押さえればビールづくりは難しくありません。ここからホームブルワーとしての一歩を踏み出しましょう！

※日本では、製造されたものがアルコール分1度以上の飲料となる場合は、酒類製造免許が必要になりますのでご留意ください。酒類製造免許がない場合には、アルコール分が1度未満となるようにしてください。米国（一部の州を除く）など海外で醸造するのであれば、問題ありません。各国・州の法令に従ってください。

これからホームブルーイングを始める方は、イントロダクションと、ビールづくりの流れから読み進んでください。ホームブルーイングには様々な工程がありますが、ここでは非常にベーシックな内容のみの言及にとどめ、極力専門用語や化学的な内容を含めないようにしてあります。非常に簡単で、拍子抜けするような内容かもしれませんが、この基礎さえ完璧に押さえれば必ず美味しいビールをつくることができる、と言っても過言ではないかもしれません。逆に基礎をしっかり理解・実践していかないと、美味しくないビールができてしまったり、何か問題が生じたり、問題がおこった時に原因を特定することが難しくなったりしますので、必ず確認するようにしましょう。

 ビアトレで説明する麦芽について

ビールづくりには麦芽の使用が前提となりますが、使用する麦芽は大きく分けて以下の通りです。

• オールグレイン（穀物麦芽100％）でつくるフルマッシング
• モルトエクストラクト（麦芽を糖化し、濃縮したものを使用。モルトエキス）
• 穀物麦芽とモルトエクスラクトを併用したパーシャルマッシング

※マッシングとは、麦芽を糖化し麦汁をつくることを指します 。ビアトレでは、基本的にオールグレインでつくるフルマッシングでのビールづくりを紹介していますが、最初はモルトエクストラクトや、パーシャルマッシングでのビールづくりから始めてもいいと思います。モルトエクストラクトでのつくり方は、モルトキットなどを販売しているサイトなどを参照してください。ホップが既に添加されていて、煮沸もいらず、ただ水と混ぜてイーストを投入すればいいだけのようなものもあり、とても簡単です.

 とにかくビールをつくってみる！

大事なことは、どんな方法でもいいのでビールづくりを始めることです。ビールづくりの楽しみを感じると、モチベーションが自然と上がってきて、もっと美味しいビールをつくってみたい衝動にかられます。何せ初めて自分でつくるビールですからね。とにかく作ってみることが一番のトレーニングです。 まずはモルトエクストラクトのビールづくりができるようにすると良いでしょう。そして、モルトエクストラクトのビールづくりができたら、ビアトレで紹介するオールグレインでのフルマッシングでもビールをつくってみてください。モルトエクストラクトを使用したビールでも美味しいビールをつくることができますが、モルトエクストラクトでは表現することのできない、独特のモルトフレーバーを醸成したり、コクのあるフルボディビールをオールグレインではつくることが可能になります。 モルトエクストラクトでつくったビールと、フルマッシングでつくったビールは全くと言っていいほどビールの出来栄えが違います。また、異なる種類の麦芽や様々な焙煎度合いの麦芽をブレンドしたりすることにより、自分だけの味や色をもったスペシャルビールをつくることができるのです。

 トレーニング用レシピ

ビアトレで紹介するビールづくりで使用するレシピです。１９ℓのビールづくりに必要な、オールグレインでのレシピです。使用する道具はこちらを参照してください。レシピや道具はあくまで参考で、この通りにする必要はありませんので、自分のやり方にアレンジしてください。トレーニング用のレシピは、なるべくシンプルに、あまり凝ったものにならないようにしています。鮮やかなレッドカラーの、カスケードホップがきいた苦めのアメリカンスタイルエールです。 →トレーニング用レシピ（ビアトレ・レッドエール）。 尚、レシピは酒類製造免許保持者、または海外の方向けに作成してあります。