一度使ったイーストでも、汚染されていないなどの条件が整えば、複数回にわたって再利用することが可能です。その為にはイースト洗浄を行い、ホップカスやデッドイースト、アルコールなどを取り除き、純粋なイーストを収穫する必要があります。そのイースト洗浄方法を紹介したいと思います。
【用意するもの】
1ℓ程度のガラス容器(フタ付)×1
500ml程度のガラス容器(フタ付)×2
※洗浄する量や、収穫したい量により、ガラス容器のサイズは適宜変更してくさい。
【手順】
■イースト洗浄1日前
1.全てのガラス容器とフタを煮沸消毒(最低15分)する
(もし煮沸に必要な大きな鍋がない場合には、キッチン漂白剤等で消毒してもOKですが、水道水が残らないように留意してください)
2.煮沸した湯がガラス瓶に入っている状態で、ガラス容器を取り出す(火傷に注意)
(キッチン漂白剤を使用する場合は、別途煮沸水を容易してガラス容器に入れる)
3.フタをして荒熱をとった後、冷蔵庫に保管しておく
■イースト洗浄日(ボトル詰めする日、又は2段階発酵容器に移す日)
1.発酵容器からサイフォンでビールをボトリング容器、又は2段階酵容器に移す
2.発酵容器の底にたまっているトゥルーブ(オリ)を残し、残ったビールを捨てる
3.1ℓのガラス容器に入っている水を発酵容器に入れ、よく振ってかき混ぜる
4.よく混ぜたら、その液体を1ℓのガラス容器に移し、フタをする
5.常温で30分ほど置く
30分ほど置くと、写真のように3つの層が確認できます。使用するのは真中の白濁した液体のみです。その他はホップカスやタンニン、デッドイーストなどなので使用しません。
6.一番上の層の液体を捨てる
7.500mlのガラス瓶の水を捨て、その中に真中の層の液体のみを入れてフタをする(一番下の層が入らないように注意)
8.冷蔵庫で1時間ほど置く
1時間ほど置くと、再度3つの層が確認できます。使用するのは、1回目と同様に真中の液体のみです。
9.残りの500mlのガラス瓶の水を捨て、その中に真中の層の液体のみを入れてフタをする
10.冷蔵庫で2日ほどおくと完了です
ガラス瓶の底にあるのが再利用するイーストで、上澄みの液体は捨てて使用します。前回の使用から2週間以内の再利用イーストで十分な量を確保できているのであれば、スタータを作らずにそのままダイレクトに麦汁に加えても良いですが、汚染などをチェックする為にもスタータの作成をおすすめします。投入するときには、イーストケーキは固まっていて発酵容器やスタータに入れることが難しいので、消毒したスプーンなどですくうか、麦汁を入れてかき混ぜてあげてあげればOKです。
イースト再利用をこのように画像付きで丁寧に解説してくれる記事を探しておりました。
おかげさまでイーストにかけるコストを抑えることができそうです。
近日中にトライしてみようと思います。
ありがとうございました。
何かあればいつでも質問してくださいね!
写真もきれいでとても分かりやすいです!
ところで回収したイーストを「酸で洗う」という記述を見かけたのですが、これは家庭でも出来ることなのでしょうか?
Acid washingですね。食品添加用のリン酸と、pH測定器か測定紙があればできるようです。以前トライしてみようと思ったことがあったのですが、実際にやったことはありません。というのも、バクテリアを減らす効果はあるものの、野生酵母には効果ないなど完全ではなく、繰り返し行うことでイースト自体の品質や生命力が弱まったり、pHを下げることでイーストにストレスがかかるなどのディスアドバンテージがあるようで、何より面倒です。効果は賛否両論あるようですが、きちんと通常の洗浄ができれば、今のところ必要性はあまり感じていません。
やり方は以下のようです。
(やったことないので参考までに。。。ご経験のある方、アドバイスお願いします!)
1.通常通りイースト洗浄しておく
2.麦汁に投入する2時間前に食品添加用のリン酸を混ぜ入れ、pHを2-2.5にする
3.90分ほど定期的に混ぜ続ける
4.この間の温度は5度以下にキープする
5.麦汁にイーストを投入する
注意点として、2時間以上かけないで速やかに投入すること、保存しないこと、イースト投入時の温度は低いのでイーストショックは起こるが気にしないこと、などのようです。
きれいな写真とわかりやすい解説をありがとうございます。
真ん中の層だけを取り出すのはどんな道具を使っておられますか?
特に道具は使わずに、上澄みを捨て、真ん中の層だけを別に消毒した容器に移しています。この時下の層のオリが入らないようにすればOKです。
ありがとうございます。
移す時に混ざってしまって難しいのですが、何度か練習します!
非常に参考になりました。
この方法で収獲したイーストは1mlあたり何ビリオンの酵母が生きているのでしょうか?
ピッチングする量を計算するのに疑問があり質問させていただきました。
横から失礼します。
イーストウォッシュされた酵母量は、元のイーストの状態もあるのでなかなか数値で表すのは難しいと思われます。
個人的な感覚ですが、20ℓへのピッチングでイーストウォッシュされたイーストを使いまわせるのは3回まで。
ウォッシュがあまり上手でないのかもしれませんが。。。
ありがとうございます。なかなか難しいですね。 1ビリオンと仮定して計算して1回目の使い回しで使いました。そちらは上手く出来ているので後1回はいけると思い次もチャレンジしてみます。